医師転職の失敗事例⑩【ブランクのある女医の復職の現状】

医師転職の失敗事例⑩【ブランクのある女医の復職の現状】

医師転職の失敗事例⑩【ブランクのある女医の復職の現状】

女性医師にとって出産・育児を将来設計に入れて考えると、医療現場の第一線で働き続けることは難しいと言われています。ブランクの期間が長くなると、心理的ハードルがあがり臨床の現場から離れていく女性が少なくないのが現状です。ここでは出産を機に病院を辞めることを決断した医師や産休明けに再就職した医師の実情を、失敗談を交えながら解説していきます。

 

出産を機に今の病院を辞めることを決断

日本医師会の「日本の医師需給の実証的調査研究(2014)」の報告では、女医の活動率は大学卒業後25歳で減少し始め30歳には82.8%、35歳では76%と最も低くなり、その後緩やかに上昇します。25〜30歳の時期は一般職であっても結婚・出産と重なり今までの働き方が難しくなり、女性の離職率が上がる時期です。

忙しい医師ともなれば、この時期に産休をとることは周囲に冷たい態度を取られる怖さや同僚の負担が大きくなることへの申し訳無さから出来ないという人は少なくありません。

退職を選択した人の意見では、病院に制度が整っていても「科には前例がないから」といって産後の復帰を反対されたという人もいるようです。また、退職せずとも常勤医を辞めた事がある女性医師は7割を超えると言われており、女性が結婚・出産を経て常勤医として働き続けることがいかに過酷であるかがわかります。産後の復帰を考えている医師は、転職の際には施設の制度が活用させているのか、子供を預けられる施設が病院に備わっているのかなど事前に調べておく必要があるでしょう。

 

ブランクの期間が長すぎると復帰しづらい?

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出産・育児によりブランクの期間が長くなると再就職の際、臨床から遠ざかる人も少なくありません。ブランクの期間が短い場合は問題ありませんが、生活習慣病やオンコロジー(腫瘍学)領域で次々に登場する新薬、診療ガイドラインの改訂など、日々進化する臨床現場のことを考えると差を埋められないのではないかと、再就職の際に二の足を踏んでしまうのです。

このような「復帰したいけど出来ない」ジレンマを解消するために、今では全国の医療機関で育児中でもブランク期間を出来るだけ生じさせないようにする「育児短時間勤務制度」の導入が進められていたり、子供を預かる院内病児保育室を完備していたりする医療機関も増えてきました。

しかし、生活環境や家族の事情でどうしても職場復帰が難しく、ブランクが長くなってしまうこともあると思います。そのような人のために全国の医療機関や自治体が行っている女性医師の「復職支援プログラム」があります。内容は再就職を目指す女医のためのシンポジウムセミナー、診療の感覚を取り戻すための短期トレーニングなど長いブランクによる様々な不安を解消してくれるプログラムが組まれています。興味を持たれる方は一度お近くのセミナーやシンポジウムを開催している自治体に問い合わせてみると良いでしょう。

 

産休明けの医師への待遇の現状

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大半の女性は産休明けから育児休暇に入ります。育児をしながら常勤勤務は難しくなり、仕事量を減らして勤務している人が多いようです。子供にある程度手がかからなくなるまで、暫く当直なしの勤務や仕事量を減らして働くということは、給料の大幅なダウンがあることを覚悟しなければなりません。

無理なくやりたい仕事を続けながらキャリアアップを目指すのか、出産を機に家事や育児に専念できる時間をしっかり取りつつ、マイペースに勤務(非常勤・検診アルバイトなど)したいのかを決めておくとよいです。産休・育休明けにキャリアアップを目指す女性医師は、早い段階で専門医の取得をし、産休・育休体制の整った病院に転職し柔軟にライフスタイルに合わせた働き方ができるように準備しておくといいでしょう。

 

医師と子育ての両立は難しい

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子供がある程度手がかからなくなり、仕事に復帰しても子供が自立するまでは親としてお仕事もなくなることはありません。特に夜勤や当直のある忙しい医師の現場では、自分の子供の病気や職場からの呼び出しが重なったりするのは多くあることです。

保育園に子供が通いだしてから常勤医に復帰しても保育園で水ぼうそうにかかったり、熱を出したりして何度も保育園から呼び出されると、周りの医師への負担が大きくなってしまいます。実際にあった事例として、「常勤医として復帰したものの何度も子供の用事で病院を抜けることになり、周りに迷惑をかけてしまって非常勤医に切り替えた…」、「フルタイムで再就職したものの上司の理解が得られず、育児制度の整っていて復職支援に力をいれている病院に転職した」という人もいます。

女性医師が常勤医として子育てと仕事の両立を実現するには、家族の協力と上司の言葉だけではない理解が必要です。復職先選びは自分の目指すキャリアプランや、育児との両立を考え、要望を整理し判断しましょう。条件にあった病院を自分だけで悩まず、信頼できる転職エージェントに相談して育児制度の整った病院を紹介してもらうのもいいでしょう。